トレ-ニング方法

 この項では、実質的なトレ−ニング方法について書いていきます。

 前の項(中長距離のトレ−ニングについて)で書いているように、中長距離種目の競技パフォ-マンスを高めるにはLT値(乳酸性作業閾値)とVDOT値(最大酸素摂取量)を大きくすることが大変効果があります。
 
 それでは、LT値とVDOT値を大きくするにはどの様なトレ−ニングをすればいいのかを、これから書いていきます。

@LTトレ−ニング
LT値を高めるトレ−ニングです。LT持続走LTインタ−バル走LTトレ−ニングの留意点
Aインタ−バルトレ−ニング
VDOT値を高めるトレ−ニングです。インタ-バルトレ−ニングの方法インタ−バルトレ−ニングの留意点
Bレースペ−スラントレ−ニング(レペテーショントレーニング)
VDOT値の改善、スピ−ド、無酸素的能力の向上を図るトレ−ニングです。レースペ−スラントレ−ニングの留意点

@LTトレーニング

 1-1)LTトレ−ニングの目的
     有酸素運動と無酸素運動の境界点であるLT値を高めます。
    トレーニングすることによって、筋肉への乳酸運搬機能の改善、ミトコンドリア数の増加、
    ミトコンドリア内の酵素活性の増大などにより、運動中の乳酸生成が減少して乳酸カーブ
    の変化が生じます。
     その結果は、新しいLTスピ−ドの獲得をもたらし、競技パフォ-マンスの向上をもたらします。

 1-2)LTトレ−ニングのスピード
    LTトレ−ニングの強度はLTスピ−ドを少し上回る速度が効果的です。
    そのスピードは表2-1および表2-2から求めることができます。

 1-3)LTトレ−ニングの具体例
   
   【1】LT持続走
   
    LTペースで20〜40分間持続して走るトレーニングです。
    距離表示のあるロードあるいはトラックで、ペース感覚を意識して走ります。
    LTペースは全力走の86%から88%程に相当しますから、幾分きついと感じるスピードです。
    40分の持続がきつい場合は、15分×2回あるいは20分×2回としてもいいと思います。


   【2】LTインターバル走 (強度はLTスピード)

    @1,600m×4〜5回(1〜2分の休憩ジョグでつなぐ)
    
    A2,000m×3〜4回(1〜3分の休憩ジョグでつなぐ)

    B3,000m×2〜3回(2〜4分の休憩ジョグでつなぐ)

   【3】LTトレーニングの留意点

    @LTスピードでのペースは、主観的には「幾分きつい」「呼吸が少し苦しい」と感じる強度ですが、
     約60分近くは維持できる速度でもあります。

    A予定されたペースでできるだけ走るようにします。最適の強度で長く続けるほど、トレーニング
      の効果がより大きくなります。

    BLTトレーニング後にからだがきつく感じたり、筋のこわばりがあるときは、スピードが速すぎる
      証拠です。少し落としたスピードで行いましょう。

    Cオーバートレーニングを防ぐ意味から、LTトレーニングは週1回で十分でしょう。

    DLT持続走とLTインターバル走は効果に多少の違いがありますので、隔週で取り入れましょう。


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Aインターバルトレ−ニング

 2-1)インタ−バルトレ−ニングの目的
    インターバルトレーニングの目的は、呼吸循環系能力、とりわけ最大酸素摂取量の改善と
   維持能力を高めることにあります。
    最大酸素摂取量が大きいほど、有酸素的なエネルギー生産能力が大きいことになり、競技
   種目でいえば、1,500mから5,000mの記録と特に密接な関係があります。

 2-2)インタ−バルトレ−ニングの方法  
 
  【1】最大酸素摂取量を高める強度(スピ−ド)
   
    最大酸素摂取量を最も効果的に高める強度(スピード)は、最大酸素摂取量の95%〜100%が
   出現する比較的狭い範囲の強度(スピード)です。
    この強度(スピード)は、ダニエルの考案した表2-1および表2-2を用いて簡単に求めることが
   出来ます。

  【2】1回当たりの走行時間(距離)

    理想的な走行時間は2分〜5分(600m〜1,600m)です。これ以上でも以下でも効果は少ない
   といわれています。
    最大酸素摂取量の出現時間は、5分(1,200m〜1,600m)の走行時間(ロングインターバル)で
   は、運動後2分でほぼ上限に達し、最大酸素摂取量へのストレス時間は約3分となります。これを
   5回繰り返すと最大酸素摂取量への負荷は約15分になります。
    一方、1分(200m〜300m)の走行時間(ショートインターバル)では、最大酸素摂取量の出現回数
   は多いものの、その時間は1回当たり約30秒です。
    ロングでの15分という最大酸素摂取量への刺激時間と同等にするには、30回繰り返す必要が
   あります。

  【3】休息時間(インターバルの間隔)とその方法
 
    インターバルでの走行後の休息時間(つなぎのジョグ)は、走行時間にもよりますが、その時間の
   50〜90%が一般的です。
    たとえば1,000mを3’20”のスピードで実施する場合、つなぎのジョグは1’40”〜3’00”、1,000m
   を3’00”で行う場合は、つなぎは1’30”〜2’40”(200m〜400m)になります。
    休息時間は各ランナーの体力レベルに合わせて設定する必要があります。

  【4】反復回数(トータルの走行距離)

    1回のインターバルトレーニングで走るトータルの走行距離は、4,000m〜8,000mが効果的です。
    具体的な距離は、1週間で走る全走行距離の8%程度、実施回数は週1回で十分です。

  【5】インターバルトレーニングの留意点

    @トレーニングの頻度は週一回で十分です。

    A目標ペースをキープするよう心がけます。

    B走行時間と休息時間の組み合わせは何通りも考えられます。1回ごとに走る距離に変化を
     つけてもよいでしょう。
     最も重要な点は、最大酸素摂取量がランニング中に出現している時間です。

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 3-1)レ−スペースラントレ−ニングの目的
  
   トレーニング原理の一つに「特異性の原理」というものがあります。
   その意味は、体力の特別な構成要素を高めるには、トレーニングでその構成要素にストレスをあたえ
  なければならない、というものです。
   つまり、各種目のレースペースで走ることは、レース中に用いられるエネルギーシステムを発達させ、
  そのスピードに応じたランニングテクニックを高めることにつながるのです。
   3K〜5Kmのレースペースは、最大酸素摂取量、最大酸素摂取量で走れるスピード、無酸素的能力
  を高めます。

   @レースペースのトレーニングにより、リラックスして速く走ることが学習でき、不必要な腕と脚の動き
    が除かれます。
   
   A不必要な動きがなくなると、レースペースに最も望ましい神経、筋機能の活性化と強調が起こり、ラ
    ンニング経済性(ある速度で走行中のランナーの、体重に関連して消費される酸素の量。同じ速度で
    走っていてもかなり個人差が見られる。この値が低いランナーのほうが、経済性に優れていると判定
    されます。)の改善が生じてきます。

   Bその結果、レースペースでのランニングが気持ちよく感じられるようになります。
     また、より速いペースで走ることも可能となります。

 3-2)レ−スペ−スラン(レペテ-ション)の方法
  
   このトレーニングは、種目の距離が短くなるほど、強度が高負荷となります。その結果、からだは
  無酸素的状況で走ることを教えられ、脚のスピ−ドを生むために必要とされる速筋線維を活性化す
  ることになります。
   このような生理学的背景から、トレーニングの方法はかなり幅広くなり、目標とする種目によって
  その内容を考慮する必要があります。

 【1】 レースペースラン(レペテーション)の留意点 

   @ペースは目標とする種目のタイムで決まります。
    そのペースで走る距離は、一般的には2〜5Kmで、自分の目指す種目によって変わります。

   A本数の間のリカバリーは、走行距離と体力レベルにもよりますが、運動時間の1/2〜1/3の時間
    になります。

   B休息が短く感じたら、もう一度、同じ速度で走れるという感覚まで待ちます。

   Cトレーニング頻度は競技レベルにもよりますが、10日から2週間に一度で十分です。

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