この項では、実質的なトレ−ニング方法について書いていきます。
前の項(中長距離のトレ−ニングについて)で書いているように、中長距離種目の競技パフォ-マンスを高めるにはLT値(乳酸性作業閾値)とVDOT値(最大酸素摂取量)を大きくすることが大変効果があります。
それでは、LT値とVDOT値を大きくするにはどの様なトレ−ニングをすればいいのかを、これから書いていきます。
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有酸素運動と無酸素運動の境界点であるLT値を高めます。
トレーニングすることによって、筋肉への乳酸運搬機能の改善、ミトコンドリア数の増加、
ミトコンドリア内の酵素活性の増大などにより、運動中の乳酸生成が減少して乳酸カーブ
の変化が生じます。
その結果は、新しいLTスピ−ドの獲得をもたらし、競技パフォ-マンスの向上をもたらします。
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LTトレ−ニングの強度はLTスピ−ドを少し上回る速度が効果的です。
そのスピードは表2-1および表2-2から求めることができます。
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【1】LT持続走
LTペースで20〜40分間持続して走るトレーニングです。
距離表示のあるロードあるいはトラックで、ペース感覚を意識して走ります。
LTペースは全力走の86%から88%程に相当しますから、幾分きついと感じるスピードです。
40分の持続がきつい場合は、15分×2回あるいは20分×2回としてもいいと思います。
【2】LTインターバル走 (強度はLTスピード)
@1,600m×4〜5回(1〜2分の休憩ジョグでつなぐ)
A2,000m×3〜4回(1〜3分の休憩ジョグでつなぐ)
B3,000m×2〜3回(2〜4分の休憩ジョグでつなぐ)
【3】LTトレーニングの留意点
@LTスピードでのペースは、主観的には「幾分きつい」「呼吸が少し苦しい」と感じる強度ですが、
約60分近くは維持できる速度でもあります。
A予定されたペースでできるだけ走るようにします。最適の強度で長く続けるほど、トレーニング
の効果がより大きくなります。
BLTトレーニング後にからだがきつく感じたり、筋のこわばりがあるときは、スピードが速すぎる
証拠です。少し落としたスピードで行いましょう。
Cオーバートレーニングを防ぐ意味から、LTトレーニングは週1回で十分でしょう。
DLT持続走とLTインターバル走は効果に多少の違いがありますので、隔週で取り入れましょう。
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インターバルトレーニングの目的は、呼吸循環系能力、とりわけ最大酸素摂取量の改善と
維持能力を高めることにあります。
最大酸素摂取量が大きいほど、有酸素的なエネルギー生産能力が大きいことになり、競技
種目でいえば、1,500mから5,000mの記録と特に密接な関係があります。
【1】最大酸素摂取量を高める強度(スピ−ド)
最大酸素摂取量を最も効果的に高める強度(スピード)は、最大酸素摂取量の95%〜100%が
出現する比較的狭い範囲の強度(スピード)です。
この強度(スピード)は、ダニエルの考案した表2-1および表2-2を用いて簡単に求めることが
出来ます。
【2】1回当たりの走行時間(距離)
理想的な走行時間は2分〜5分(600m〜1,600m)です。これ以上でも以下でも効果は少ない
といわれています。
最大酸素摂取量の出現時間は、5分(1,200m〜1,600m)の走行時間(ロングインターバル)で
は、運動後2分でほぼ上限に達し、最大酸素摂取量へのストレス時間は約3分となります。これを
5回繰り返すと最大酸素摂取量への負荷は約15分になります。
一方、1分(200m〜300m)の走行時間(ショートインターバル)では、最大酸素摂取量の出現回数
は多いものの、その時間は1回当たり約30秒です。
ロングでの15分という最大酸素摂取量への刺激時間と同等にするには、30回繰り返す必要が
あります。
【3】休息時間(インターバルの間隔)とその方法
インターバルでの走行後の休息時間(つなぎのジョグ)は、走行時間にもよりますが、その時間の
50〜90%が一般的です。
たとえば1,000mを3’20”のスピードで実施する場合、つなぎのジョグは1’40”〜3’00”、1,000m
を3’00”で行う場合は、つなぎは1’30”〜2’40”(200m〜400m)になります。
休息時間は各ランナーの体力レベルに合わせて設定する必要があります。
【4】反復回数(トータルの走行距離)
1回のインターバルトレーニングで走るトータルの走行距離は、4,000m〜8,000mが効果的です。
具体的な距離は、1週間で走る全走行距離の8%程度、実施回数は週1回で十分です。
【5】インターバルトレーニングの留意点
@トレーニングの頻度は週一回で十分です。
A目標ペースをキープするよう心がけます。
B走行時間と休息時間の組み合わせは何通りも考えられます。1回ごとに走る距離に変化を
つけてもよいでしょう。
最も重要な点は、最大酸素摂取量がランニング中に出現している時間です。
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トレーニング原理の一つに「特異性の原理」というものがあります。
その意味は、体力の特別な構成要素を高めるには、トレーニングでその構成要素にストレスをあたえ
なければならない、というものです。
つまり、各種目のレースペースで走ることは、レース中に用いられるエネルギーシステムを発達させ、
そのスピードに応じたランニングテクニックを高めることにつながるのです。
3K〜5Kmのレースペースは、最大酸素摂取量、最大酸素摂取量で走れるスピード、無酸素的能力
を高めます。
@レースペースのトレーニングにより、リラックスして速く走ることが学習でき、不必要な腕と脚の動き
が除かれます。
A不必要な動きがなくなると、レースペースに最も望ましい神経、筋機能の活性化と強調が起こり、ラ
ンニング経済性(ある速度で走行中のランナーの、体重に関連して消費される酸素の量。同じ速度で
走っていてもかなり個人差が見られる。この値が低いランナーのほうが、経済性に優れていると判定
されます。)の改善が生じてきます。
Bその結果、レースペースでのランニングが気持ちよく感じられるようになります。
また、より速いペースで走ることも可能となります。
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このトレーニングは、種目の距離が短くなるほど、強度が高負荷となります。その結果、からだは
無酸素的状況で走ることを教えられ、脚のスピ−ドを生むために必要とされる速筋線維を活性化す
ることになります。
このような生理学的背景から、トレーニングの方法はかなり幅広くなり、目標とする種目によって
その内容を考慮する必要があります。
【1】 レースペースラン(レペテーション)の留意点
@ペースは目標とする種目のタイムで決まります。
そのペースで走る距離は、一般的には2〜5Kmで、自分の目指す種目によって変わります。
A本数の間のリカバリーは、走行距離と体力レベルにもよりますが、運動時間の1/2〜1/3の時間
になります。
B休息が短く感じたら、もう一度、同じ速度で走れるという感覚まで待ちます。
Cトレーニング頻度は競技レベルにもよりますが、10日から2週間に一度で十分です。
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